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猛暑と豪雨の夏も過ぎ、残暑の中にも秋の気配を感じるようになりました。つかのまの夏休みも終わり、会員諸氏には教育・研究・業務にお忙しい日々を送られていることと思います。
去る7月10日には幹事会と定例研究会が開かれました。前回に引き続いての、新進気鋭の若手研究者による報告と活発な討論の模様をお伝えします。
そして、今号ではいよいよ、10月30・31日の第11回大会の詳細をお知らせいたします。大会に先立ち、10月2日には定例研究会も行われます。いずれにつきましても、どうぞ今から日程等ご調整の上、多くのご参加をいただけますようお願いいたします。
第4回定例研究会は、非会員の森ます美(昭和女子大学)、逆井征子(兼松、ペイ・エクイティ研究会)の両氏に報告をお願いしました。ぜひご参加下さい。
報告:森ます美「賃金制度の転換とペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)」
逆井征子「リストラのなかの商社女性の現状」
日時:10月2日(土)14:00〜17:30
会場:早稲田大学人間総合研究センター別室−高田牧舎2階
報告:山下 充(早稲田大)
「技術者と現場技能者の分業:戦前期池貝鉄工所における組織合理化と企業内身分制」
7月10日の研究会では、山下充会員の報告「技術者と現場技能者の分業:戦前期池貝鉄工所における組織合理化と企業内身分制」が行われた。報告は、先に『社会学評論』に発表された同名の論文をもとに、それを補足する形で行われた。内容は次のとおりである。
報告は、日本の製造業の特徴とされる「技術者と現場労働者の『柔軟な分業関係』」(=両者の職務のオーバーラップ、両者の緊密な情報交換・協力関係)が、歴史的にどのように形成されてきたかを、戦前工作機械5大メーカーのひとつである池貝鉄工所の調査をもとに明らかにしようとするものである。
具体的には、戦前の池貝鉄工所において、(1)現場の熟練工(特に上位の職階層)と設計技術者の間に、インフォーマルなコミュニケーションを通じた協調的な関係が存在しており、これが、生産技術に関する問題解決や設計技術者の技能形成に貢献していた(=柔軟な分業が行われていた)ことが明らかにされるとともに、(2)そうした状況を生み出したのは、当時の特殊な組織合理化の有り様(科学的管理と互換性生産の不充分な進展)と企業内身分制の在り方(職工差別が行われながらも熟練労働者の上位階層は職員扱いを受けていた)であったことが明らかにされた。そして最後に、今後の課題として、戦前期の「柔軟な分業」と今日的なそれとを結ぶ経路を明らかにするという問題が指摘された。
なお、報告は、戦前期の池貝鉄工所従業員に対する慎重な聞き取り調査をもとにしている。戦後55年が経過しようとしている今、このような調査を行いうる条件は厳しくなるばかりである。そのような条件の中で、このような報告(調査)が行われたということについては、十分な評価が必要と思われる。 (大野 威:岡山大学)
会場となる名古屋市立大学人文社会学部は発足4年目を迎える若い学部で、学部棟は昨年完成したばかりの新しい建物です。キャンパスは旧八高の跡地にあり、落ち着いた敷地です。会員の皆様のお越しをお待ちしています。
なお、名古屋にはさまざまな産業遺産があります。例えば、名古屋駅に近い便利な場所にある「産業技術記念館」(月曜休館、電話052-551-6115)は、生産機械の動態展示などを行っており、紡織機械と自動車製造の技術を学ぶことが出来ます。時間に余裕がある方はこうした施設にも足をお運び下さい。(第11回大会事務局)
2)一般研究報告(自由報告)
一般研究報告希望者とタイトル(仮題のものもあり)は以下の通りです。今回の大会では、1会場ですべての一般研究報告を行います。また、一般研究報告の時間は 、質疑を含め1報告当たり45分を予定しています(なお、下記報告予定者のうちには、大会までに本学会に入会する予定の方もいます)。
☆なお、上記の一般研究報告予定者は、報告要旨を9月30日までに、ワープロでA4一枚(40字×50行以内)にまとめ、プリントアウトした用紙とフロッピーディスク(1.44MB、テキストファイル形式)にて、下記、藤田研究活動委員長宛お送り 下さい。また、大会当日用いるプリントなどは、当日各自でご用意下さい(70部程 度)。あらかじめ藤田まで郵送されても結構です。OHPなどを利用される報告予定 者がいましたら、準備してほしい機器を藤田まで報告要旨とあわせて連絡願います。
送り先:藤田 栄史
☆なお、上記の手続きを済ませた報告予定者は、報告要旨を9月30日までに、ワープロでA41枚(40字×50行以内)にまとめ、プリントアウトした用紙とフロッピーディスク(1.44MB、テキストファイル形式)にて、同じく上記、藤田研究活動委員長宛 にお送り下さい。
3)工場見学はソニー幸田に引き受けてもらうことができました。日程は11月1 日(月)午前10時から12時です。JR東海道線岡崎駅下車、岡崎駅からはタクシーに乗り合わせて工場へ行く予定です。ソニー幸田(従業員2600名、うち女性1300名 )は、ソニー・グループの中でビデオカメラ・ビデオ周辺機器の設計・製造などを担当しています。同社は、労働省が今年度から設けた(男女雇用機会)「均等推進企業表彰」で「女性少年室長賞表彰」を受けた36社のうちの1社です。また、組立ライン方式をとりやめ、一人で製品を最初から最後まで組み立てる「多能工スパイラルライン」という1人生産方式を早い時期に導入したことでも知られています。
例年どおり、大会において年会費(2000年度会費)を徴収しておりますので、よろしくお願いいたします。また、学会財政厳しい折、長期滞納の会員の方に、再度会費納入のお願いと振り込み用紙を同封させていただきました。よろしくお願い申し上げます。
熊沢誠会員からの依頼により、研究会の案内を同封させていただきました。ご了承下さい。
1999年7月10日(土)11:00より12:30まで、早稲田大学人間科学部・高田牧舎2階、人間総合研究センター別室において、第4回幹事会が開催されました。
出席者(敬称略)は、田中直樹、青木章之介、秋元樹、大黒聰、大野威、河西宏祐、北島滋、土田俊幸、藤田栄史、山田信行、吉田誠、鷲谷徹、渡辺雅男、林千冬、藤井史朗(以上15名)。
報告・審議事項は以下のとおりです。
〈報告事項〉
〈審議事項〉
1.新入会
2.住所変更
3.メールアドレス変更(訂正)
報告:森ますみ「賃金制度の転換とペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)」 日時:10月2日(土)14:00〜17:30 会場:早稲田大学高田牧舎2階人間総合研究センター別室−高田牧舎2階 |
日時:10月2日(土)11:00〜14:00
会場:早稲田大学人間総合研究センター別室−高田牧舎2階
(早大南門前、地図参照)