日本労働社会学会『通信』vol.X, no.3(1999年6月) 日本労働社会学会事務局 |
各地の梅雨入りが告げられる今日この頃、会員諸氏には教育・研究・業務にお忙しい日々を送られていると思います。
去る5月8日には幹事会と研究会が開かれました。研究会ではジャーナル執筆者でもある新進気鋭の若手研究者3名から密度の濃いご報告いただき、活発な討論がおこなわれました。この模様をお伝えするとともに、次回研究会、今秋の学会大会についても若干のお知らせをいたします。
なお、『労働社会学研究』発刊に当たりましては、多くの会員の皆様から多額のカンパを誠にありがとうございました。1口5000円のカンパをいただいた方には、近日中に『年報』第9号をお送りいたします。また、2口以上の方には『労働社会学研究』もしくは『年報』を計5冊お送りいたしますので、同封いたしましたアンケートにて、『年報』(希望号数)もしくは『労働社会学研究』の送付希望をお寄せ下さい。
第3回の定例研究会が以下のとおりおこなわれます。ぜひご参加下さい。若手・大学院生をはじめ、身近な会員にも出席を呼び掛けていただけると幸いです。
報告者 山下充氏(早稲田大学)
報告タイトル:戦前期日本の技術者と現場技能者
日時:7月10日(土)14:00〜18:00
会場:早稲田大学高田牧舎2階人間総合研究センター別室
(早大南門前、裏面地図参照)
5月8日の研究会では、『労働社会学研究』(通称『ジャーナル』)創刊号に掲載された若手研究者の論考についての報告と議論が20名の会員の参加のもとに行われた。
各報告の内容は、『ジャーナル』に見る通りなので、ここではコメンテーターの指摘と研究会での議論を中心に報告する。
第1報告の小谷幸「女性の“新しい”労働運動--女性ユニオン東京の事例研究--」では、コメンテーターの大槻奈巳会員から、女性ユニオン東京の“新しい”労働運動・社会運動としての特質の把握や組合員のエンパワーメント・主体形成の把え方についてコメントされた。それを受けて、先進事例であるアメリカの「9 to 5」労組からみて女性ユニオン東京はどう評価できるのか等が議論された。
第2報告の榎本環「銀行労働の記録--参与観察調査法・ホワイトカラーの勤労意識--」 では、コメンテーターの橋本哲史会員から、「仕事が楽しくなっていく魔力」の存在や「自己の生活史というデータの信頼性を他の方法によって補完する必要性」が指摘された。それを受けて、“細分化された銀行労働”は新入社員であるためで、中堅になると別なのではないのか、銀行の職場での労使関係はどのようなものか等について議論された。
第3報告の鈴木玲「組合内政治と組合路線--国労の事例を通した論理的考察--」では、コメンテーターの赤堀正成会員から国家の労働政策の問題や「組合内政治と組合路線の関係についての仮説」への疑問が出された。それを受けて議論では、この分析枠組は民間企業の労働運動にも適用可能かどうか、また分割民営化に対する国労の態度を反マル生闘争(1970-71年) 等を通した「組織行動の論理」から説明しているが、70年代の“平時”における労使関係の問題等が抜け落ちるのではないか等が指摘された。
以上、今回は報告者のみならずコメンテーターも若手会員が務め、女性ユニオンという新タイプの労働組合や克明な職場生活史の分析、組合内政治の把握など労働社会学研究の新たな息吹を感じさせる研究会であった。
(土田俊幸:長野大学)
前号の『通信』でもお伝えしましたとおり、本年度の大会の日程等は次の通りです。下記のとおり、一般研究報告の申し込みを受け付けますので、奮ってご応募下さい。
第11回大会
日時 10月30日(土)・31日(日)
場所 名古屋市立大学山の畑キャンパス、人文社会学部棟
◎学会大会の一般研究報告を受け付けています。申込期限は7月27日(火)です。報告題名のみ、藤田研究活動委員長宛に郵送、FAXでお申し込み下さい。宛先は下記の通りです。
藤田栄史会員連絡先
(注・メールアドレスが変わりました。学会員名簿のアドレスには送らないで下さい!)☆なお、上記の手続きを済ませた報告予定者は、報告要旨を9月30日までに、ワープロでA41枚(40字×50行以内)にまとめ、プリントアウトした用紙とフロッピーディスク(1.44MB、テキストファイル形式)にて、同じく上記、藤田研究活動委員長宛 にお送り下さい。
今年度からシンポジウムは隔年で開くことになりました。今年度の大会では、特別報告を計画していますが、シンポジウムはありません。これまで一般研究報告を2教室で同時に行っていましたが、今年度は1教室で全ての一般研究報告を行い、大会参加者全員に報告を聞いてもらえることができるようにする予定です。
学会ジャーナル編集委員会からのお知らせ
先日、葉書にて『労働社会学研究』(通称、学会ジャーナル)第2号の投稿募集を通知させていただきましたが、諸般の事情により第2号の刊行スケジュールを下記のように変更したく、再度通知させていただきます。
学会ジャーナルに投稿をご希望される方は下記の事項を記載した投稿希望書を河西宏祐編集委員長宛までご送付下さい。若手会員のみならず会員皆様方には、実態調査に基づく論文・研究ノートをふるってお寄せいただくようお願い申し上げます。
投稿希望書送付先
早稲田大学人間科学部 河西宏祐編集委員長
投稿希望書記載事項
☆なお、原稿につきましては投稿規定により45,000字を上限としておりますが、掲載論文が多くなった場合には、予算の制約上、40,000字以内に圧縮していただく場合がございます。予めご了承ください。
年報、ジャーナル販売促進について
「労働社会学研究」(通称「ジャーナル」)第1号が発行され、また「年報」第9号も出ました。いずれも学会内外から高い評価がされている、とも報告されています。
しかし、これらの発行は学会財政にとって大きな負担となっており、その負担を軽減するためにもこれらの販売が必要です。もちろん、それ以上に学会員の研究成果を広めるという必要性があることは言うまでもありません。そこで、これら刊行物を皆様の周りにもぜひおすすめ頂くようお願いいたします。学会取り扱いでは市販と比較して20%の割引となっております。また、その収入はすべて学会に入ります。
よろしくお願いいたします。
◎価格(1冊単価)
ジャーナル(第1号) 1,440円(郵送の場合、送料240円追加)
年報(第9号) 2,640円(郵送の場合、送料340円追加)
◎申し込み 幹事(発送作業担当) 北島 滋(宇都宮大学)
※「現物」は各幹事が持っています。お近くに幹事がいる場合、そちらでも受け付けます。
◎年報のバックナンバーも若干あります(3号以降) 希望の方はお申し込み下さい。
(値段は20%offです)
会計幹事 大黒 聰
1999年5月8日(土)11:00より12:30まで、早稲田大学人間科学部・高田牧舎2階、人間総合研究センター別室において、第3回幹事会が開催されました。
出席者(敬称略)は、田中直樹、大黒聡、河西宏祐、北島滋、秋元樹、山田信行、土田俊幸、藤田栄史、吉田誠、鷲谷徹、渡辺雅男、藤井史朗、林千冬(以上13名)。
*報告・審議事項は以下のとおり。
<報告事項>
1)「年報」編集委員会より
秋元編集委員長より、次号の内容について、(a)前回大会シンポジストの寄稿、(b)学会10年のあゆみに関するもの、(c)投稿論文として研究ノート1本、(d)書評8本、となる予定である旨報告がなされた。
2)「ジャーナル」編集委員会より
河西編集委員長より、諸般の事情により締め切りを半年延長する旨報告がなされた。
3)「研究活動」委員会より
藤田研究活動委員長より、次回の研究会は7月10日(土)に開催し、早稲田大学の山下充氏に報告者をお願いした旨説明がなされた。
4)会計報告
大黒会計担当幹事より、5月7日現在の収入及び支出の状況について報告があった。会費収入は年度当初予算の88.9%まで納入(会員数にして60.3%の納入率)されており、また、「年報」の販売収入も予定を上回っている旨報告がなされた。
さらに、「年報」及び「ジャーナル」の購入に際しては、今後対応がよりスムーズに出来るようになったので、今後いっそう販促をすすめてほしい旨説明があった。
<審議事項>
1)会員の異動・新入会員の件
事務局・林幹事より入会希望者1名、退会希望者1名が報告され、了承された。
2)第11回大会の開催について
藤田研究活動委員長より、一般報告の申込み受付中で、締め切りまで間があるので奮って応募願いたい旨、および大会の工場見学は現在トヨタ自動車と交渉中である旨報告がなされた。
3)事務局体制について
田中代表幹事より、現在の事務局体制と会則の間に若干のずれがあるため、次回の学会総会にて実態に沿ったかたちで会則変更を提案したいとの報告がなされた。
1.新入会
略
2.移動
略
3.メールアドレス変更
略
4. 転居先不明
略
※なお、記載漏れ、誤りなどございましたら事務局までご連絡下さい。
※不明会員の消息をご存知の方は、お手数ですが事務局までご一報下さい。
報告タイトル:戦前期日本の技術者と現場技能者 報告者 山下充氏(早稲田大学) 日時:7月10日(土)14:00〜18:00 会場:早稲田大学高田牧舎2階人間総合研究センター別室 |
日時:7月10日(土)11:00〜14:00
会場:早稲田大学高田牧舎2階人間総合研究センター別室
(早大南門前、裏面地図参照)