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会員の皆様には、お忙しい年度末を過ごされたことと思いますが、またあわただしく新年度が始まろうとしております。先の見えない景気低迷が続き、社会はリストラばやりですが、本学会も若い会員中心に会員数が漸増する中、学会運営をよりスムーズにすべく模索しており、e-mail活用についてのアンケートをこの間実施いたしました。そこでは貴重なご意見をいただきました。また、2月21日(土)には、第1回定例研究会と第2回幹事会がもたれました。これらの模様を中心に『通信』第2号をお届けいたします。
2月21日(土)の研究会では、「第9回大会シンポジウムでの残された課題と今後の方向」と題して、秋元樹会員にご報告いただきました。
秋元氏は、まず大会当日のシンポジウムでの論点を次のように整理しました。それらは、労働組合とソーシャルワークの別、管理職・女性ユニオンが新しいユニオンの選択肢たり得るか、女性労働強調の方向性、個別的労使関係問題の集団的労使関係への翻訳の問題などの諸点です。次に秋元氏は、アメリカの労働現場の事情を紹介し、同様に70年代から90年代にかけて労働条件の低下と組織率の低下が進んできたことを指摘しました。その上で、シンポジウム当日の自身の発言趣旨から、とりわけ連合の路線に対して、「多くのことが世界で統一的に起こっているが、それに対して組合がどうすればよいのか。日本での空洞化問題についても、何故自分たちが働いて作った富が海外に投資され、それで自分が首を切られるのか。国の外と内であまりに違う現実、このような点にコメントが欲しかった」と述べました。さらに、これまでのような福祉先進国の紹介や、国際会議、南北問題、国際共同調査などとしての「国際化」視点ではなく、日本の経営がどのように外国の労働者に影響を及ぼすのか、といったような形での国境を絡めた議論が必要であることを再度強調しました。
報告を受けての質疑では、まず、アメリカ労働運動の特殊性・独自性やアメリカによる覇権の問題が論じられ、次に女性ユニオンの労働組合としての性格と意義をめぐって議論されました。さらに、ゼンセン同盟のサービス産業労働者組織化の動向や労働力の女性化の傾向などが新たな傾向として示されました。次回シンポジウムテーマをめぐる方向性については、国境を越えるというキーワードにおいて、今までの研究の二番煎じでない大きな議論をなす必要があるという点が確認されました。
なお、事務局の対応の遅れから、シンポジウムでの議論についての原稿を事前にすべて渡すことができず、報告者の秋元会員にご迷惑をおかけしました。お詫びいたします。(文責 事務局)
次の第2回研究会は、5月9日(土)14:00より、日本大学本部会館(市ヶ谷)にて、八木正大阪市立大学教授による「シリーズ・戦後労働調査を語る」を予定しております。多くの方々の参加を心よりお待ちしております。
前『通信』郵送時に実施した「日本労働社会学会事務局配布物郵送方法についてのアンケート」は、49通(会員数206名、回収率23.8%)の回答をいただきました。ご協力ありがとうございました。結果は以下の通りです。
(1)日本労働社会学会事務局より会員への配布物郵送方法について、全体としては、次のどれが望ましいですか。一つだけ○をつけてください。
- 今までどおり、封書による郵送で統一するのが良い。 2(4.1%)
- 会員の希望によって、e-mailでの連絡と、封書による郵送とを併用するのがよい。 35(71.4%)
- できるだけe-mailによる連絡に、切り替えていくのが良い。 11(22.4%)
- その他( )。 1(2.0%)
(2)同じく、あなたご自身は、次のどの郵送方法が望ましいですか。一つだけ○をつけてください。
- 封書による郵送が良い(e-mailがない場合も含む)。 11(22.4%)
- 封書による郵送が望ましいが、事情によってはe-mailによる郵送でもやむを得ない。 18(36.7%)
- e-mailによる郵送が良い。 20(40.8%)
- その他( )。 0(0.0%)
- 無回答 1(2.0%)
(3)現在、学会のホームページを立ち上げていますが、その内容充実のために会員研究者主要業績リストのようなものを将来的には作りたいと考えております。もしそうなった場合に、あなたはこのリストに掲載されることを希望しますか。
- 希望する 40(81.6%)
- 希望しない 7(14.2%)
- どちらともいえない 1(2.0%)
- 無回答 1(2.0%)
(4)このリスト上にご自身のe-mailアドレスを公開することを望みますか。
- 望む 28(57.1%)
- 望まない 11(22.4%)
- その他 3(6.1%)
- 非該当 4(8.2%)
- 無回答 3(6.1)
(意見など―一部事務局編集)
- e-mailアドレスは、住所、電話番号と同様、学会内のみ公開とすべきと考えます。
- e-mailですとうっかり見落とす危険が、特に忙しいときにはありますが、通信費の問題を考え、手間を省くことを考えると、3「できるだけe-mailによる連絡に、切り替えていくのが良い」の方向が合理的と思われます。
- e-mailでは、テキストしか送れません。図表はバラバラになります。バイナリーにすると互換性の問題が生じます。
- (ホームページへのリスト掲載について)会員に対しては希望するが、会員外に対する公開は、私にとってはプラスよりマイナスの方が大きいように思われます。
- コンピュータを扱わない、扱えないロートルが学会活動に参加しづらくなるような、日本企業がよくやるような措置はとるべきでないと存じます。
- 財政上やむを得ないのであれば仕方ない。
- 紙に印刷しないで良いという資源保護の観点から、e-mailへの切り替えを支持します。
- (e-mailの公開について)学会内部で公開する従来の形を希望。外部に対しては学会誌の各号の目次の情報を載せる作業を先にしてはどうでしょうか。
- 会報の大会特集号などは、これまで通りの方が読みやすい。事務的な通信は、e-mailの方が簡単(返信も)。
- 基本的に、経費節約、ペーパーレス化を支持します。
- できるだけ、e-mailやInternetを活用した会員間の交流や、外部への情報発信がこれからは重要だと思われます。したがって、まず連絡手段を電子化することは非常に有効だと思います。
- 近く外国の大学に留学する予定で、その際、e-mailで配布物をいただけると大変ありがたいです。今後もそういう研究者が出ることを考えるとe-mail化はコスト面からだけでなく(配付資料の保存の手間なども含めて)、大変有益な方法だと思います。ちなみに留学中もこのメイル・アドレスを継続するつもりです。
- 『通信』の書式の件ですが、幹事会報告は一番後においた方が読みやすい。e-mailにする場合は、トップにその号の内容アブストラクトを付け、どれが重要な内容か、項目を読んだだけでわかるようにしておかないと、重要事項を読み落としてしまいそうです。
- 現在、パソコンを所有していないため、封書による郵送を望みますが、パソコンを購入した場合(購入希望あり)、e-mailにてお願いしたいと思います。私自身としてはそのように考えていますが、事務局の先生方の作業がさほど煩雑にならなければ、会員の希望を加味した併用がよいのではないでしょうか。
今回のアンケートは、回収率が23.8%とやや少ないが、回答者は少なくとも自分についてはe-mail化・ネットワーク化に前向きの回答が多い。しかし、回答率の少なさや、回答者でもなお半数以上が、「文書による連絡との併用」を選択していることからすれば、(1)全体としては、今までどおり文書連絡を中心とすること、(2)同時にe-mailによる連絡をサービスとして実施すること(少なくとも現事務局体制の下では)、(3)その上で特に「『通信』等の連絡に関してはe-mail一本でよい」との意思表示をした会員に対しては、通常連絡の全面e-mail化を進めることにしたい。
上記のアンケート結果を受けて、現段階でe-mailアドレスを事務局に通知している会員に対しては、『通信』他の配布物を、文書郵送と併せてe-mailでも送ります。また、前にお知らせした通り、学会ホームページ(http://163.212.160.112/jals/)でも公開しておりますので、ご参照ください。
これらを活用してみて、『通信』については、e-mailのみでよい、と判断された会員がおられましたら、随時、事務局までその旨をお知らせください(e-mail可)。
事務局体制が整いしだい、その会員への『通信』郵送は、e-mailのみにさせていただきます。
さて、昨年10月の総会では、学会運営体制や規程についてのいくつかの改正を承諾していただきました。そこで残された問題(役員任期の連続2期4年以内とする提案)について、全会員の意向をアンケートによって図ることが確認されております。
この問題は、昨年5月の第3回幹事会より論議されており、推進意見としては、特定の人が連続することの疲れ、いろいろな人が幹事を経験することのメリット、懸念される運営の連続性については他の委員会(編集委員会・研究活動委員会など)への非幹事の参与や2年空けての再継続などの中で確保できること、が理由として挙げられています。他方、慎重意見としては、学会運営を実質的に担う幹事の継続が保証されないことが指摘されています。
このような点について会員の皆様の率直な意見をお聞きしたく、アンケートを同封いたしました。お忙しいことと存じますが、よろしくご協力ください。
1998年2月4日
報告:坂 幸夫
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457,367 |
457,367 |
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900,000 |
634,000 |
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250,000 |
110,000 |
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8,000 |
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50,000 |
10,350 |
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169,500 |
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1,657,367 |
1,389,217 |
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1,110,000 |
0 |
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200,000 |
0 |
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180,000 |
58,088 |
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10,000 |
0 |
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140,000 |
765,00 |
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3,500 |
680 |
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13,867 |
0 |
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1,657,367 |
135,268 |
現在、年報在庫分の購入について引き続いてお願いしております(第3号から第8号まで、1冊購入は2割引、2冊以上の購入の場合は3割引です)。図書館などで購入いただく場合、通常のルートで購入申し込みをすると、学会収入にならなくなります。そこで直接、会計担当幹事(坂 幸夫会員)まで注文してもらう方法をとっていただけるよう工夫をお願いいたします。
先の『通信』の幹事会報告にもありましたが、1998年度の第10回大会の日取りは次のように確定いたしましたので改めてご報告いたします。
日時:1998年、11月2日(月)・3日(火−文化の日)
日程
11月2日(月) |
午前中に工場見学(湖西市、鈴木自動車) |
午後から一般研究報告、総会、懇親会。 |
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11月3日(火) |
シンポジウム(午後4時終了) |
(ただし、11月1日(日)午後より幹事会を開きます。) |
ホテル「ブケ東海」(浜松駅南口3分、シングル6,400円)
(出席者)鎌田哲宏、鎌田とし子、京谷栄二、坂幸夫、田中直樹、藤田栄史、吉田誠、藤井史朗、合場敬子(オブザーバー)
- 1998年2月21日(土)11:00より13:30まで、日本大学会館において、第2回幹事会が開かれた。出席者は上記の通り。
- 議題は以下の通りで次のことが承認または報告された。
(議題)
1. 第10回大会について
- 鎌田代表幹事より、静岡大学浜松キャンパスで開催予定の第10回大会の準備状況について、ホテル・会場は予約済みだが、工場見学のバスについては調整がつかず、JRでの移動の可能性もある旨報告された。
2.アンケート調査について
- 鎌田代表幹事より、幹事の任期を2期4年までとする案、及び1998年大会シンポジウムについての意見についてアンケート案が示された。
これについて討議し、幹事任期についてのアンケート案はそのまま了承されたが、1998年度大会シンポジウムテーマについてのアンケートは今年は保留することとなった。
3.『通信』等のe-mail化について
- 事務局より、学会通信のe-mail化についてのアンケート結果が報告された(前述)。それを踏まえて、当面、封書による通信とe-mail(ある人のみ)を併用することとし、半年から1年の後、e-mail一本に切り替えて良いとの意思表示があった会員についてのみ、e-mail化することが提案され、了承された。
4. 新入会者について
- 鎌田代表幹事より新入会者について報告され了承された。また、学会状況をホームページで見て、入会申し込みをするケースが増えることに鑑み、紹介会員がいなくとも了承することがあることが確認された。
5. 次回研究会について
- 鎌田代表幹事より次回研究会(5/9)において、八木正大阪市立大学教授が「シリーズ・戦後労働調査を語る」の一環としての報告を快諾された旨報告された。
この件について、研究活動委員会を中心に、準備を進めることが確認された。
6. 会費値上げ案について
- 鎌田代表幹事より、会費を現行の8000円より1万円に値上げする案が提起された。
討議の上、会計収支状況などを見て、現行8000円でこの1年は努力した上で再度検討することとなった。
7. その他
- 鎌田とし子大会担当幹事より、シンポジウムのテープ起こしの代金が10万円近くかかる旨報告され、今後の方法について議論した。
- 学会ジャーナル投稿希望者が、論文4名、研究ノート2名いることが報告された。
- 「ジャーナル」発行に際しての寄付などによる予算確保の方法について議論した。
- 各大学での社会調査実習などの実施状況を調べ、ジャーナル記事に載せるなどの案が出された。
- 研究活動委員会より、7月11日研究会の候補として、カリフォルニア大学(富山大学客員教授)ノーススコット氏にアメリカの労働研究について報告してもらう案が出された。
- 大会自由報告について、報告希望者が増えている状況に対応する日程を組むとの提案があった。
- 外国人労働者が集まっている教会などでのヒアリングの可能性について話された。
- シンポジウムテーマについては、5月の幹事会で議論することが確認された。
- 坂会計担当幹事より、大会欠席者に対する1998年度会費請求について、納入者27名、未納者88名である旨報告された。
- 吉田幹事より、ホームページに会報を載せていることについて報告された。また、ホームページ参照会員が延べ530人に至っている旨報告された。
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※定例により、研究会の前に第3回幹事会を開きます。幹事の方は下記の通りお集まり下さい。
会場:上記、日本大学会館・本部、会議室(203室)