日本労働社会学会『通信』

vol.IX, no.1(2003年1月)

日本労働社会学会事務局
法政大学大原社会問題研究所
鈴木 玲 (すずき あきら)

(学会ホームページ)http://www.jals.jp
(郵便振り込み口座番号)00150-1-85076
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「日本労働社会学会 村尾祐美子」


* ご注意! 郵便振り込み口座は、現在、会計担当者の名義変更手続き中です。申し訳ありませんが、お振り込みは1月20日以降にお願いいたします。また、銀行口座は現在廃止しております。近日中に新口座を開設予定 ですので、銀行講座番号につきましては、後ほどお知らせいたします。


目次

I 代表幹事をお引き受けするに当たって

II 第2回幹事会議事録  

III 第14回大会報告
1. 一般研究報告Iについて(鈴木 誠)
2. 一般研究報告IIについて(大西 祥恵)
3. 一般研究報告IIIについて(徐 亜文)
4. デュポン株式会社・宇都宮事業所見学記(勝俣達也)

IV 各種連絡
1.日本労働社会学会年報第14号の原稿募集
2.『労働社会学研究』第5号の投稿募集について
3.次回幹事会および1月定例研究会のご案内



I 代表幹事をお引き受けするに当たって
立命館大学 辻 勝次
 
 昨年の秋の大会で前代表幹事の河西さんからバトンを渡されました。場外へ逃げることも考えましたが、気がついたら退路はありませんでした。この上は幹事をはじめ会員諸氏のご支援とご協力をお願いするばかりです。
 さて、最近の日本の労働事情や労働者状態の急激で深甚な変化には驚きます。しかし労働と労働現象を社会学的に見つめる労働社会学にとっては、数十年に1回あるかないかという現下の情勢は願ってもない活動の機会です。労働社会学は実証調査や実態調査の手法によって、種々さまざまな労働現象や勤労世界の社会的現実をモノグラフとして捉えることができます。また種々のセクターや様々な問題領域についての部分智を理論化し体系化しながら総合的な全体智を獲得することができます。たしかにトンネルの闇は暗いのですが、1歩でも進めば出口はそれだけ近づくにちがいありません。
 京都からですが、会員諸氏に何かお役に立つことができればと、幹事ともども願っています。



II 第2回幹事会議事録
   
・日時 2002年12月21日(土)13:00〜15:30
・場所 専修大学1号館8B会議室
・出席者
(前幹事)河西、大黒、土田、渡辺
(現幹事)辻、市原、大梶、大槻、小川、柴田、白井、鈴木、田中、滝下、高橋、兵頭、藤井、藤田、松戸、村尾、山下

議題

1.前幹事の各担当者よりの引き継ぎ事項について
 はじめに、前幹事の各担当責任者より、引き継ぎ事項のポイントについて次のように指摘された。
・代表幹事(河西前幹事)
 日本学術会議の3年に1回ある登録更新が、代表幹事の主要な業務となる。
 出版社(東信堂)との関係では、学会負担金が1回につき40万円であり、400部の買い取りとなる。価格は厚さにかかわらず、1600〜1700円程度。会員250名に配布し、残りが販売となる。
資産形態のT基金は、若手への学会奨励賞など創設の一助になれば、として出されたという経緯がある。
 大会財政は、学会財政とは別個に行っている。大会参加費でまかなっているが、それだけでは不十分なので開催校の独自の貢献がある。私立大学では大学補助、地域によっては、市の観光課の補助などがある。長野大学での開催(2000年)時には、大学と市の両方から援助を受け、この大会から繰越金が出ている。
・研究活動委員会(渡辺前幹事)
 大会のシンポジウム企画と、定例研究会の人選と段取りが2つの課題となり、それぞれの担当をわけた。前年の大会シンポに関しては、5月の段階で趣意書・アウトラインの報告をして、2回ほどのプレシンポを定例研究会を利用して開いた。
 定例研究会では、若手が自由に参加できる雰囲気作り、目配りが必要。
・「労働社会学研究」編集委員会(土田幹事)
 第4号の査読が終わり、正月すぎに入稿する。第5号から新編集委員の仕事だが、第5
号までで今後の発刊の継続について再検討することになる。
・会計(大黒幹事)
 最大の仕事は、会費をきちんと集めること。支出はできるだけ節約した。学会の年度
は、10月1日〜9月31日で、新年度に入っており、会費の集金が必要。
 何とか維持できる状況に来ているが、遠方の幹事の旅費の問題など、このやり方でよ
いか、今後の方向は新幹事で決めてほしい。

2.新入会員の承認
滝下幸栄氏(京都府立医科大学医学部看護学科助手)の加入が承認された。

3.新幹事の役割分担
・代表幹事:辻勝次
・副代表幹事:柴田弘捷(年報編集委員兼任)
・研究活動委員会:松戸武彦(委員長)、小川慎一、大槻奈巳、高橋伸一、兵頭淳史
・年報編集委員会:藤田栄史(委員長)、市原博、柴田弘捷、白井邦彦
・ 労働社会学研究編集委員会:清山玲(委員長)、大梶俊夫、田中夏子、山下充
・ 大会準備担当:滝下幸栄
・会計:村尾祐美子
・北海道担当:加藤喜久子
・発送担当:大槻奈巳(研究活動委員兼任)
・事務局:鈴木玲(事務局長)、藤井史朗
・監事:大黒聰、京谷栄二

4.2003年度幹事会・研究会日程案
 (12:30〜14:00幹事会、14:00〜17:00研究会)
・1/25(土):専修大学神田校舎1号館12階社会科学研究所(予約済み)
・3/29(土):専修大学神田校舎1号館12階社会科学研究所(予約済み)
・5/24(土)→(参考:社会政策学会は5/17〜18)
・7/19(土)
・9/6(土)
・10/18(土))→(参考:社会政策学会は10/4〜5)
・11/1(土)(10/31〜11/2、労働社会学会大会予定)

5.各担当部局よりの報告

・研究活動委員会(松戸委員長)
 次回シンポジウム企画について、幹事会の一応の方向性を出す必要があるが、アイディア、人選など案があれば、松戸委員長の方に連絡することとする。
 1/25の研究会の報告者について早急に決める必要がある。報告者は2名、院生会員には多少の交通費援助も考えたい。
・年報編集委員会(藤田委員長)
 1/12日に委員会を開く。
 書評で取り上げる本の提案があれば連絡してほしい。
・会計(村尾幹事)
 会計請求書は、通信と別途発送する。準備ができ次第早急に行う。
・労働社会学研究編集委員会(山下幹事)
 投稿申し込み締め切りを3月15日。原稿は6月末。
 2003年12月発行予定。

6.その他

・学会役割について、ホームページに記載すること。
・研究会での発表について、他の学会と2重になってもよいかとの疑問が出され、問題ないのではないか、との了解を得た。
・監査(監事)について、2名に打診することとした(後日、大黒氏、京谷氏が了承)。



III 第14回大会報告

(シンポジウムの報告は次号の『通信』で掲載する予定です)

1.一般研究報告Iについて                        鈴木誠

 第1報告は,石井まこと氏(大分大学)の「企業組織の再編と労働組合」であった。研究の途中経過を報告するとしつつも,その課題は日本大企業労使関係の変化の方向性と影響を探究するといった深い問題意識に立脚したものであり,大会参加者は大きな関心を寄せていた。報告は,(厚生)労働省「労働組合基礎調査」各年版等の統計資料,既存のアンケート調査に加えて,石井氏が2002年に実施したアンケート調査(『企業組織の再編等と労働組合の活動に関する調査』(未発行))に基づいて行われている。
 まず,統計資料から労働組合組織率がいかに推移しているのかについて考察がなされ,組織率低下の画期として第I期(1975年以降)と第II期(1998年以降)が存在すること,また第II期の特徴として(1)組合員数の大きな減少,(2)製造業,金融・保険業の減少(組合員の男性化),(3)組合組織の消滅と新設の減少という客観的事実を読み取ることができると指摘している。石井氏は,とりわけ解散組合による組合員減少が新設組合による組合員増加を超えるようになったことに注意を促している。次に,背景として構造調整期における会社再編法制の整備が進められているとした上で,その実施率を考察し,続いて企業組織再編に対する労働組合の対応について検討する。各種アンケート調査から,労働組合は企業組織の再編に対し,労使協議・団体交渉を通じて,雇用確保や労働条件の低下に対して一定の規制をできたと自己評価していること,しかしながらこのような活動が組合員から評価されておらず,組合執行部は組合員との意識乖離に苦悩していること,加えて個別的な労使関係が拡大し,経営者サイドも労働組合の存在感が希薄化していくと考えていることを指摘する。
 さらに,石井氏は企業再編の進行が労働組合を企業,及び組合員から遊離した存在へと然らしめつつあるだけでなく,労働組合ばなれをますます進行させると予見する。そして,このような労働組合の状況に対していかなる対策が講じられるべきなのかへと議論を移す。ただし,この点に関して石井氏は慎重であった。とりわけノンユニオン化による弊害を少なくするために社会政策の必要性を唱え,例えば最低賃金の底上げ,労働者代表法制の法制化等,今後検討を加えていきたいとして報告を締めくくっている。
 報告後,フロアからは多くの質問,コメントが寄せられた。まずグループ労連に関してはどのように考えているのかという質問に対して,石井氏はそれでは対応しきれないとの答えを提示している。また,コメントとして,企業組織の再編が労働組合の組織率低下に与える影響についてはより深い考察が必要であるという指摘や,大量観察に加えて今後は労働社会学会の伝統である労働現場に密着した実態調査を期待する声があった。なお,ここで私の感想を1つだけ述べることをお許しいただきたい。石井氏はノンユニオン化の補完としていわゆる従業員代表法制を取り上げているが,この法制化にはこれまで種々の議論がなされており,従業員代表法制にどの程度固有の意義が存在するのか疑問を提示している論者もいる。この点を踏まえた上で私は,石井氏の関心が労働組合の組織率低下に端を発しているならば,むしろそれに対してこそ真正面から着手すべきではないかと考える。
 第2報告は,今井順氏(デュースブルグ大学)の「成果主義・裁量労働制とホワイトカラーの能力:成果主義制度の示す「能力」観」であった。今井氏は,副題にも掲げているように,成果主義的な人事制度において能力がいかなるものとして捉えられており,それは従来と比してどのような変化を遂げているのかを解明しようと試みる。成果主義に関して,これまで労働経済学,組織行動論等の諸分野において研究の蓄積が徐々にではあるが進められている。それに対して,今井氏は能力観を政策レベル,経営者団体レベル,そして個別企業の実態にまで踏み込んで分析するといった点で一線を画している。
 今井氏は,従来の能力評価において,仕事の量と質への着目,及び知識,技能,企画力,判断力,折衝力,指導力などに加え,態度,意欲なども評価の対象であったと強調し,フレキシブルな態度としての能力が従来の能力観であるとする。そして次に,このような能力観が,評価の機軸を能力から成果へと移した成果主義的な人事制度のもとでいかに変容しているのかへと議論を移す。まず,今井氏は成果主義的な人事制度とセットで導入されている裁量労働制について,企画型裁量労働制の導入は勤労者の意欲を喚起し,生産性を向上させることを意図したものとする。次に,日経連『経営のグローバル化に対応した日本型人事システムの革新』(2000年)の分析へと移り,そこでも態度,意欲といったものが評価の対象となっていることに注意を促す。さらに,議論はコンピテンシーへと移り,続いてA社の事例へと踏み込む。今井氏は,A社において,成果とは組織目標に対する達成度であり,その成果達成に必要だと考えられる具体的な行動・スキルをコンピテンシーとして評価すること,またコンピテンシーのカテゴリーとして態度や意欲などに匹敵するものが盛り込まれていることを重視する。そして,以上の分析から,成果主義への移行とはいっても能力観はそれ程変化していないと結論づけている。なお,最後に,成果主義のもとで賃金格差が広がっていると指摘し,報告を締めくくっている。
 日本における成果主義の展開を明らかにすることは喫緊の課題となっていることもあり,今井氏の報告に対して,フロアから多くのコメントが寄せられた。それらをまとめると次のようになる。すなわち,第1に成果主義の日本的展開を議論するにあたって賃金プロファイルにおける上下格差の拡大だけではなく,管理の幅や権限の拡大という形で表れる賃金以外の成果の報い方をも議論すべきであるということである。第2に,従業員のコミットメントについても言及すべきであるということである。これは,従来,能力主義に関して繰り広げられた議論であるが,成果主義においてももちろん言及すべきであろうという指摘である。そして,第3にフレキシブルという場合,そこには自律的で自由度が高いという観点からも接近できるのではないかということである。
 加えて,私の感想を述べさせていただきたい。第1に,今井氏の取り上げたA社において賃金格差が実際に拡大しているのだろうかという疑問がある。可能ならば,A社の人事データを用いて是非とも実証して欲しい。第2に,組織行動論の分野でコンピテンシーとは能力そのままではなく,あくまでも従業員がおかれた職務や戦略から導かれる期待を前提とした能力であり,貢献のあり方であるとされる。つまり,コンピテンシーは従来の能力とは異なるものとされているのである。このような視点に対する今井氏の見解を是非とも伺いたい。そして,最後に,個別企業の事例分析を行うにあたって,私は戦略レベル,機能レベル,職場レベルの3層構造に基づいて分析する必要があるのではないかと考えている。ここで,その具体的内容を展開する力は私にはないが,さしあたり職場マネジメントに関する考察が重要であろうという思いを抱いている。というのは,成果主義的な人事制度を導入した企業において,客観的指標を過度に重視し,結果(数値)を偏重,プロセスが軽視されていることなど報告されているが,このような事態は制度設計の意図通りに職場マネジメントが行われなかったことも意味しているように思えるからである。つまり,一部の企業で実施されている人事制度の見直しは,制度の意図と職場マネジメントの実態との間に乖離が生じたことにも起因するのではないかと考えられるのである。もしそうならば,従業員の評価において,成果として結実するまでのプロセスを重視する方向へ人事戦略が変更されるだろうし,加えてライン・マネジャーのマネジメント能力の育成にも力を入れるようになるだろう。私はこのような変化を重視したいと考えているが,分析途中としていたA社の考察が進み,再度研究成果を示していただける際に今井氏の見解を伺いたいと思う。

2.一般研究報告IIについて
                 大阪市立大学経済学研究科後期博士課程 大西祥恵

「日系ブラジル人と日本人の労働と文化変容―過疎地における自動車用ワイヤーハーネス製造職場を事例として―」
             報告者:浅野慎一氏(神戸大学)・今井博氏(神戸大学大学院)
 浅野・今井報告では過疎地を「国内生産の限界地」と捉えて、その過疎地での自動車ワイヤーハーネス製造に従事する日系ブラジル人労働者と日本人労働者の「労働―生活・文化変容」の実態を解明することを主題としている。研究手法には、聞き取り調査を用いている。
 この職場での日系ブラジル人と日本人の関係は、労働過程以外では接触がほとんどなく、両者の関係は異なる立場から「うまくいっている」とのことである。その理由の一つは、両者がともに雇用不安を抱えているものの不安の性質が異なっていることである。すなわち、日本人にとって日系ブラジル人は工場の生き残りに不可欠な労働力であるが、日系ブラジル人にとって日本人は直接の競争相手ではないのだ(競争相手は日系ブラジル人)。文化変容についてみたところでは、日系ブラジル人の方が大きな影響を受けていることが指摘された。ただし、日本人のなかにもリーダー・トレーナーというような立場の人については、日系ブラジル人の印象がよくなるなど何らかの反応が認められた。
 浅野・今井報告は、日本人と日系ブラジル人がグローバリゼーションに巻き込まれているために「生命―生活」が脅かされているとした上で、文化変容の意義と内実を明らかにすることが重要であると指摘する。そして最後に、今回の調査対象者たちは結果的には職場を変わらざるを得なかったのであるが、今後の課題として彼らにとって一連の文化変容がどのような意味をもつのかを新たな職場において明確にすることが挙げられた。
 質疑応答では、第一に、日系ブラジル人を派遣する会社について、第二に、日系ブラジル人にとっての残業について、第三に、派遣会社からの日系ブラジル人現場監督についての質問がなされた。これに対する回答は、第一に、派遣会社はブラジル本国にもコネクションをもっていることや、派遣そのものについては過去に違法派遣がみられたこと、第二に、日系ブラジル人は残業を好む傾向にあること、第三に、ブラジル人現場監督は前の職場ではラインでの労働に従事しているが現場監督として派遣された職場では監督の仕事のみに従事するというものであった。
 私見としては、画一的ではない日本人と日系ブラジル人の人間関係についての指摘が大変興味深かった。ただし、「文化変容」についてはより詳細な説明があったほうが、さらに議論を深めることができたと思われる。


「『ノンエリート』青年の『社会』形成―地方都市の工業高校出身者を事例として―」 
                小西二郎氏(北海道大学大学院教育学研究科・研究生)
 小西報告は「ノンエリート」青年の形成する「社会」の実態に、青年たちの人間関係と自己規定のあり方の連関という側面からアプローチすることを目的としている。こうした目的を設定する背景には、近年の若年雇用・労働研究には、青年「社会」の実態に関する議論が含まれていないという問題意識がある。研究方法は、北海道小樽市ないしは余市町の「ノンエリート」家族に生まれ育った27,8歳の青年11名への聞き取り調査に依っている。
 小西氏は、青年の「社会」の構成について、そこでの彼らの人間関係が企業主義的な志向に基づいたものではないこと、またプライベートな人間関係は結婚によって家族に比重が移されることを明らかにした。そして、青年の「社会」の原理としては、まずにお互いに創発性や自立性志向を確保することができる「場」としての友人ネットワークが存在することを指摘した。具体的には、青年の「場」の作法としてリーダー格が存在しない形での対等性の保持や、お互いに困難があっても手を貸さないという自立性の保障などが示された。次に労働「社会」への志向について、彼らは労働条件に不満があるものの職業志向は肯定的であり、これと自立性志向が関連をもつことや、職場の人間関係が対等であることと友人ネットワークにおける対等性が同じ文脈で捉えられることを指摘する。その他、青年「社会」をジェンダーの視点からみると、「友人は同性―異性とは性愛関係」という考えと連動するという。
 小西報告では、こうした青年「社会」の存在は現在日本社会に広くみられる企業中心社会型ライフスタイルからの転換の可能性を示唆するものだと述べられている。けれども、こうした青年「社会」に生きる彼らの願いを実現することもまた困難であるが指摘されている。最後に今後の課題として、流動的な社会変容と青年「社会」の「場」との連関を探ることが挙げられた。
 質疑応答では、青年の「場」の作法として説明された「相手が困難な状態にあっても手を貸さない行為」は、相手を援助する能力がないからみられるのではないかという指摘があった。これについて小西氏が聞き取りをした青年たちの場合、相手を援助する能力の有無に関わらず一貫して相手に手を貸さないという行為がみられたという。
 私見としては、青年「社会」のありようが近年の若年雇用・労働研究では議論されていないという問題提起が的を得ていると感じると同時に、こうした視点は、青年に関する研究にはとどまらず、労働研究全般について有効ではないかと感じた。


「個別的、成果主義的人事管理の進展が高年齢者雇用に与える影響」
                        高木朋代(一橋大学大学院博士課程)
 高木報告は、7割にのぼる企業が雇用継続制度を設置しているにも関わらず高年齢者雇用が進展しないのは何故かということを問題意識としてもち、具体的には個別的、成果主義的人事管理の進展と高年齢者雇用の関係を実証的に検討している。研究方法としては、まず、財団法人高年齢者雇用開発協会による「高年齢従業員の継続雇用に関する企業調査」(1998年実施)結果を用いて個別的、成果主義的人事管理の進展が高年齢者雇用にどのような影響を与えているかを明らかにし、続いて、高木氏が行った23人への聞き取り調査に基づいて人事管理の変化と高年齢者雇用に関する追求を行っている。 
 第一の検証によって得られた結果は、個別的、成果主義的人事管理の進展は、雇用継続制度の設置に対しては正の影響をもつものの、実際の高年齢者雇用については有意に負の影響をもつというものであった。そして第二の検証では、雇用継続制度があったとしても成果主義人事が浸透した職場では、従業員自身が選抜の厳しさや、働く環境の厳しさを予見し、自己選抜を潜在的に行うことによって雇用継続を自主的に選択しなくなることから、雇用継続制度の設置が必ずしも実際の雇用継続の拡大とは結びつかないことが示された。そして最終的には、個別的、成果主義的人事管理の進展は雇用継続制度の設置率と正の関係にあるが、実際の高年齢者雇用には有意に負の影響を与えていることが明らかにされた。
 質疑応答では、本報告の問題意識や実証に対する高い評価が与えられると同時に、データの一部については、人事管理の変化との関連で有意ではない部分について注意が必要との指摘があった。
 私見としては、問題意識と実証がかみあった優れた研究と考えたい。ただし可能であれば、企業の経営方針における個別的、成果主義的人事管理の位置づけを示せば、本研究のねらいがより確かになったかもしれない。

3.一般研究報告IIIについて
                    徐 亜文(広島大学大学院国際協力研究科)
                 
(1)大久保マリ子氏報告「ベルギー日系製造業における生産システム移転の事例研究――三方式混在の変容を中心に――」の感想

本報告は海外日系企業における日本型生産システムの移転とその変容について時系列比較を通じて検証したものである。報告の重要な論点は次の3点である。(1)海外日系企業には日本型、現地化、ミックスという三方式が混在していること、(2)海外子会社への日本型生産システムの移転は幾つかの段階を経て移転され、そして段階を経るに従い現地人主導になっていくのではなく、段階や年数が経ていても、日本人主導の部分と現地人主導の部分は共存していること、(3)国際移転できるかどうかは経済優位性があるかどうかによるものではなく、ホスト国社会・文化の規制・影響で三方式が決定されることである。これらの論点を、ベルギー日系製造業A社を事例に、1997年と2001年の時系列比較を行うことにより検証した。
氏は(1)現場主義(2)小集団活動(3)製品ライン(4)外注先との関係(5)人事査定(6)昇進(7)休暇(8)ワークシェアリングという項目を分けて、事例企業A社の生産システムと日本マザー工場との比較を行った。その結果、(1)(2)は日本マザー工場方式、(3)(4)(5)は折衷方式、(6)(7)(8)は現地方式という、三方式が混在しているシステムが実施されているという。
以上の8項目ついて1997年の調査結果と2001年の調査結果とを比較してみると、(1)は低い→上昇、(2)は未導入→導入、(3)(4)(5)は折衷か現地方式→日本マザー工場方式へ努力している傾向、(6)(7)は折衷→現地、(8)は未実施→現地方式、という傾向が見られる。このように、マザー工場から海外子会社への生産システムの移転は、幾つかの段階を経て移転され、また段階や年数が経ていてもすべて現地化にならず日本人主導部分と現地人主導の部分は共存している。
これらの三方式に影響を与えるものとして(1)法律による規制、(2)労働組合、(3)社会慣行を取り上げて分析した結果、それらの影響により、海外日系企業において日本マザー工場方式のうち受け入れられる項目と受け入れられない項目があることは分かった。
このように、氏は、これまで海外日系企業は日本型、現地化、ミックスというタイプに分けて分析される傾向にあった日本型生産システムの国際移転について、三方式が混在しておりホスト国社会、文化の規制、影響を受けて三方式の混在の仕方が決定されることを明らかにした。
参加者からは、そこで働くベルギー人はどのような変化があり、現地で働く日本人はどう変化したか?また、ベルギー人の働き方と日本人の働き方はどう違うのか?つまり、事例企業における労働者の変化について触れていないというコメントが出された。それに対する氏の答えは、ベルギー人と日本人の働き方には違いが見られる。例えば、生産の遅れに対する残業に対して、ベルギー人従業員は「労働強化」と捉え、日本人側は「顧客への迅速なサービス」と競争に生き残るための期限厳守は必須事項と考えている。幾つかの段階を経てベルギー人は日本人の影響を受けて働き方が変わりつつあるが、まだ日本人の働き方に程遠いとのことである。
「日本人は生きるために働いているのではなく、働くために生きている」と言われているように「日本人の働き方」は国際的に批判されている今日、日本人の働き方を現地人に押し付けるのではなく、現地人の事情を考慮した上で新しい働き方を確立しなければならないのではないだろうか。氏の今後さらなる探究を期待したい。

(2)柳田純子氏報告「中国日系企業における現地中核人材の育成」の感想

本報告は中国に進出した日系企業の人材育成に着目し、経営の現地化の鍵となる現地中核人材育成上の課題を明確にすることを目的とするものである。中国日系企業に関する先行研究は、経営者及び現場のワーカーを対象とした調査が比較的多く、ホワイトカラー層についての調査は少なかった。そこで、本報告は、中国日系企業の中間管理職を調査対象とし、彼ら自身にキャリア形成過程を語ってもらうことによって、現地人材側の視点から人材形成過程を把握し、育成上の課題を考えるものである。
氏は、中国上海近隣にある日系企業5社のいずれかに勤務する17名の現地中間管理職者に対して聞き取り調査を行った。(1)キャリア形成過程、(2)部下育成上の留意点、(3)キャリア目標に関して質問をし、その回答をまとめると以下のようなものになる。(1)について、日系企業が求める品質水準が高いこと、顧客の立場に立つこと、データや現場重視の姿勢、職場全体のなかで自分の仕事を位置づけることがキャリア形成過程で学んだり感じたりしたこととして挙げられている。(2)については、スケジュール管理を重視し、現場でのリーダーシップが多く見られるとのことである。(3)彼らのキャリア目標としては、より上級のリーダーシップや生産性向上に関する体系的研修や経験を求めていることである。
以上のような調査結果を考察し氏は現地中核人材育成上の課題として以下の三点を挙げている。(1)育成過程では日々の実体験とコミュニケーションを通して、日系企業の仕事の進め方への理解を促進すること、(2)部下育成では現場重視のリーダーシップを育てること、(3)キャリア目標の点からは、より上級のマネジメント職に専門知識と実践の機会を与えることである。
参加者からは(1)中国での市場条件などを述べないと、なぜ現地中核人材の育成が必要なのかについては分からない、(2)人材育成上の一般的な話と中国に進出した企業の具体的な話を分けて行わないと意味がないのではないか、つまり中国における日系企業の話をするなら中国の特有な事情を考察しないと、調査の意味がないのではないか、というコメントが出された。
現地中核人材を育成するために、彼らのキャリア目標に応じた、より上級のマネジメント職に必要な専門知識と職務実践の機会を与えることは重要ではあるが、それは、企業の長期的視野での人材育成方針が彼らの当該企業の勤続志向と一致している時にのみ機能することである。そうであるならば、現地中核人材の勤続志向を決定する要因こそ、第一に明らかにしなければならない点であると思われる。この点については氏の今後の研究展開に期待したい。

(3)青木章之介氏報告「勤労女性のライフスタイル(タイ王国)――バンコク中間層と工業団地労働者層の比較――」の感想

青木章氏はこの報告で、タイにおける海外直接投資による産業構造の変動が、どのような生活構造と地域社会を生み出しているのかについて、勤労女性のライフスタイル変化の確認を通じて、検証した。
氏はバンコク郊外に位置する四つの工業団地(バンプリー、バンプー、ナワナコン、バンパイン)に勤務する女性工場労働者に対して、質問紙を媒介とした面接調査を行った。
生活構造論を使って調査結果を分析し、以下のような二つの重要なことを明らかにした。(1)工場労働者と新中間層との収斂についてである。大卒ホワイトカラー層である「新中間層」と工場労働者層との生活構造上の収斂はおこっていないが、海外からの直接投資は、勤続10年以上になる層に都市型再生産労働者を作り出し、こうした層は新中間層に近似した生活構造を形成しつつある。この点より、海外直接投資の「光」の部分が非常に大きいと評価している。しかし、工場労働者層の大半はいまだ農村部で再生産されていると氏は指摘した。
(2)バーツ危機以降の失業の女性勤労者に対する社会的影響についてである。ホワイト・グレイカラー層の女性失業者は、これまでの生活水準を維持するために、未経験者としてマッサージ・パーラーなどのセックス産業へ参入している。こうしたルートから新しく入ってきた女性が当該産業従事者の20%を占め、また未経験者による売春のため、HIV感染が再び広がっているという。そして、ブルーカラー層の女性失業者は、10年以上工場で勤続した人が多く、40歳を過ぎると再就職の可能性が皆無に等しいため、家族や子供の養育費を捻出できない状態に陥っていると氏は指摘している。
 参加者からは、このような工場労働者はどのようなルートで工場に入ったのか、つまり工場に入り工場労働者になるまでの過程を説明してほしい、氏が出された図表をどう読めば以上のような結果が読みとれるのかを明確にしてほしいなどのコメントが出された。
海外直接投資により、新中間層に近似した生活構造を持つ都市型再生産労働者層を作り出したと氏は重要な指摘がなされた。「しかしながら、工場労働者層の大半は、いまだ農村部で再生産されている」とも指摘している。そうであるならば、このような都市型再生産労働者は、工場労働者とどう違うのか、前者は工場労働以外の労働をしているのかについて氏の今後更なる究明を期待したい。

4.デュポン株式会社・宇都宮事業所見学記
勝俣達也(筑波大学大学院社会科学研究科博士課程)

 宇都宮大学を出発したバスは、東に向かって15分ほど走り、清原工業団地に入るとまもなくデュポン株式会社宇都宮事業所に到着した。栃木県内には、昨年訪れたホンダの研究所を中心とする芳賀工業団地や、やや南にくだったところでは真岡工業団地など数多くの大規模な工業団地が存在しているが、清原工業団地の大きさはその中でも際立っており、内陸のものとしては国内最大規模であるという。
見学の行程にそって当日の様子を記していきたい。まずはじめにデュポン社全体の概要について、アメリカでの火薬工場にはじまり、ナイロン等の発明をきっかけとする発展や、日本へ進出して現在にいたる経過の説明をうけた。支社の設立(1961)を経て、最終的な日本におけるデュポン株式会社の設立は1983年である。宇都宮事業所はそれと同時にはじまっており、現在は宇都宮製造所、中央研究所、先端研究所といった諸組織からなっている。現在これらの組織の従業員の合計は、正社員247名(うち女性は10%程度)、派遣労働者42名(うち女性は90%)、請負労働者80名(大半が男性)からなっている。最も主要な事業は「プラスチック成型材料」で、全体の70%をしめており、工場でみることができたのもこの部分であった。また、デュポン株式会社は帝人や東レなどとのジョイント・ベンチャーが非常に多く、売上高・従業員数ともにデュポン株式会社本体の倍を超えているとのことであった。
その後実際に工場内およびデュポンがもつ広大な敷地内を案内していただいた。工場でみた工程は、あるプラスチック素材にいくつかの素材を一定の割合で混ぜあわせて、別の素材を作るという過程であり、工程は完全に機械化されていた。数多くの計器類がついた巨大な装置でいくつかの原料が溶かしこまれて“おし出され”、最終的に2mm四方ほどに細かく裁断された黒いチップがコンベアにのせられて出てくる。この新たに作られた素材そのものが「製品」である。化学工場の、しかも専門家による開発・発明が、企業の競争力にとって決定的な重要性をもつデュポンのような会社において、製品を量産する「工場」というものがもつ意味が、自動車や家電などの形ある製品をつくる二次産業の場合とは異なることが感じられる。こうした製品の市場価値の多くをつくり出す研究開発部門は、中央研究所や先端研究所という別組織に担われているわけだが、工場の敷地をバスで周回したさいにもその中の様子はうかがい知ることができなかった。また労働過程としても、自分を機械の一部と錯覚するような自動車メーカーのそれのようなわかりやすいインパクトはない。化学工場らしい臭いがたちこめる中で機械の計器類をチェックする人が1人2人散見されるだけで、実際に製造所の現業部門は1シフト9名で回しているとのことだった。工程は製品が出てくるまですべて自動化されており、計器類のチェック・調整にどのような経験や知識が必要とされるのか、彼らの詳細な仕事内容を聞く機会はなかった。
最後に人事・労務関連の問題について、直接人事部長の説明を聞くことができた。デュポンは、創業以来の企業理念としての「コア・バリュー」の一つとして「バリューイング・ピープル」(「社員の処遇」と訳されている)を掲げているという。人事についての説明はこの「バリューイング・ピープル」という、抽象的な理念の具体的な解説として進められたため、規範的な要素が強く、説明からはなかなか実態をイメージしにくいという全般的な印象をもった。しかしそうした説明からは、グローバルに展開する企業組織が直面する人事問題のとらえ方や組織文化のようなものがあるようにも感じられた。以下に私なりの視点から、当日説明された「キーワード」を用いて気づいた点を整理してみたい。まず第1に、組織におきた諸問題を、個人的な道徳によって解決すべき問題として帰責しようとする傾向が強いように思われた。それは「差別」や「ハラスメント」についての対処の仕方についての説明が非常に多かったことや、それらを総じて「ピープル・トリートメント違反」として抽象的に定義されていることに端的に現れている。第2に、第1の点に関連してそうした諸問題の「発見→解決→再発防止」といったプロセスの制度化・パターン化が徹底しているということである。これは「会社の明確な方針表明(個人の多様性の尊重・差別のない雇用)」や「マネジメントの責任の明確化」、「差別などの違反の定義」や、それへの「対処方法の理解の徹底」などのキーワードに対する説明にあらわれていたように思う。「会社は理解してくれているという集合感情があるから処罰が厳しくできる」という人事部長の言葉は、そうした「違反」の定義と制度化の徹底によって裏付けられている。この「会社は理解してくれている」といういわば規範を支える正当性の成立については、そうした組織文化がどこでどのように作りあげられてきたのかなど、興味深い点であるように思われた。説明はこうしたグローバルな企業の公式的な側面に集中し、それに対応する人事問題の実態について、関連する予備知識をもたない私自身はなかなかイメージしにくかった。例えば実際に「違反」があったさいの対処方法として、「(1)個人による対処」、「(2)組織によるインフォーマルな対処」、「(3)組織によるフォーマルな対処」といった形式的な分類がなされていたが、「(3)フォーマルな対処」についてはマネジメント各階層への報告や実態調査チームの組織などの具体的なあり方が紹介された一方、その他の対処方法およびそれら相互の関連についてももう少し知りたいところであった。また、資格制度や評価基準など人事制度がグローバルに統一されているという点についても、その日本における運用上の問題などについてもう少し聞きたいところであった。以上が、組織のグローバル化、高度の専門性といった性格を歴史的に形成してきた企業の内を垣間見た素朴な感想であった。


IV 各種連絡

1.日本労働社会学会年報第14号の原稿募集

以下の要領により、年報第14号の原稿を募集します。

(1) 募集する原稿は、論文・研究ノート・書評・海外動向等とします。
(2) 投稿予定のある方は、下記の連絡先までハガキで投稿予告をしてください。予告のハガキには、氏名、所属、連絡先(住所・電話番号・電子メールアドレス)、原稿の分野(論文・研究ノート・書評・海外動向の別)、仮題名、予定枚数、書評の場合は対象とする書物のデータ(編集者名・書名・発行所・刊行年・定価)を明記してください。投稿予告締め切り(厳守)は、論文および研究ノートが2002年2月28日、書評・海外動向は2002年4月30日です。
(3) 投稿締め切りは論文・研究ノートが4月10日、書評・海外動向は5月31日です。原稿は下記の連絡先まで郵送してください。
(4) 著書を書評で取り上げることをご希望の場合は、下記の連絡先までお早めにご一報ください。
(5) 編集規定、年報投稿規定については、年報第13号の巻末をご覧ください。執筆要項は下記の通りです。

編集委員会連絡先:日本労働社会学会年報編集委員長  藤田 栄史
       〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町山の畑1 名古屋市立大学人文社会学部

日本労働社会学会年報執筆要項

1.論文は原則として、400字詰原稿用紙60枚以内(図表等を含む)とする。ワープロによる執筆の場合は24000字以内とし、図表等は一枚あたり400字と換算する。
2.研究ノート、書評、海外動向等は、原則として400字詰原稿用紙20枚以内(図表等を含む)とする。ワープロによる執筆の場合は8000字以内とし、図表等は一枚あたり400字換算とする。
3.論文については、日本語以外による、題名と300語以内の要約を添付する。
4.引用文献の記述は次の形式による。
(1)本文に引用する著書・論文の著者名と発行年、必要な場合には引用頁を次の形式で記載する。同一著者、同一出版年の文献を複数引用する場合は、出版年の右肩にa、b、c・・・・・を付す。この記号は、本文中で主語等として用いることができる。引用文献は末尾に一括して記載する。
  著者名[出版年:該当頁]  例)労働一郎[1995a:100]
(2)著書の場合には、著者名、出版年、書名、出版社を記載する。日本語の書名は『 』で囲み、欧文の場合はコンマで区切る。
  例)労働一郎,1995,『労働社会学概説』労社書店.
    Marx,K,1867,Das Kapital,Diez.
(3)論文の場合には、著者名、出版年、題目、雑誌等名(または掲載書名、掲載書の記載の仕方は上の(2)に準ずる)、巻号を記載する。日本語の論文名は「 」で囲み、欧文の場合はコンマで区切る。
 例)労働一郎,1995,「労働社会学の展望」『労働社会学年報』第10巻.
   労働一郎, 1995a,「労働社会学の課題」労働二郎編『労働社会学入門』労社書店.
5.図表等は別紙に記載し、論文中に挿入すべき箇所を指定する。
6.査読審査終了後、可能な限り論文ファイルの記録されたフロッピーディスクを添付する。フロッピーディスクの形式は、国内で一般的に使われているものなら何でも良い。

2.『労働社会学研究』第5号の投稿募集について

編集委員会では第5号への投稿論文を募集いたします。投稿をご希望される方は下記
の事項を記載した投稿希望書(書式自由,以下の記載事項を明記のこと)を清山玲編
集委員長宛まで,郵送かファックスのどちらかでご送付下さい。会員皆様方には,実
態調査に基づく論文・研究ノートをふるってお寄せいただくようお願い申し上げます。
なお,投稿および投稿申込みにあたっては『労働社会学研究』既刊号に掲載されてい
る投稿規定および確認事項(特に,現物購入に関する箇所)を熟読されるようお願い
いたします。

ホームページでも同様の情報を公開しています。
http://www.jals.jp/journal/boshu.html

刊行スケジュール
投稿希望書締切・・・・・2003年3月15日(当日消印有効)
原稿締切・・・・・・・・2003年6月末日(当日消印有効)
発行予定・・・・・・・・2003年12月

投稿希望書送付先
茨城大学人文学部社会科学科
清山 玲 宛

投稿希望書送付先ファックス
029−228−8199
必ず「 茨城大学人文学部 清山 玲 宛」とファックスに明記してください。

投稿希望書記載事項
  (1) 氏名
  (2) 連絡先(〒・住所・電話番号・FAX番号・E-mailアドレス)
  (3) 所属機関・職名(大学院生の場合,修士課程・博士課程,学年など)
  (4) 論文・研究ノートの区分
  (5) 論文の題目・予定枚数
  (6) 論文の概略
  (7) 使用ワープロ類の機種とそのソフトの名称
  (8) その他,編集委員会への要望

なお,原稿につきましては投稿規定により45,000字を上限としておりますが,掲載論
文が多くなった場合には,予算の制約上,40,000字以内に圧縮していただく場合がご
ざいます。予めご了承ください。

3.次回幹事会および1月定例研究会のご案内

日時:2003年1月25日(土)午後0時30分から幹事会。午後2時から定例研究会
場所:専修大学神田校舎1号館12階社会科学研究所

定例研究会の報告者の報告テーマ

洪 哉信氏(一橋大学社会学研究科:博士後期課程)
テーマ「使用者団体にみる戦後労使協調主義の形成―日経連を中心に」

倉田隆太郎氏(専修大学大学院文学研究科) 
テーマ「地方都市におけるフリーター」


以上