日本労働社会学会『通信』vol.XIII, no. 3(2002年4月) 日本労働社会学会事務局一橋大学社会学研究科 林大樹
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学会通信2002年第3号をお送りします。郵送希望の会員には、近日中にお送りします。
事務局では現在、162名の会員(数名の入会予定者を含む)のアドレスを把握しており、これらの会員宛に本通信をメール送信しております。何か不都合がありましたら、事務局までご連絡下さい。
恒川真澄(東京女子大学大学院)
家族農業経営における女性労働について、当の女性はどのような意味づけを行っているのかを明らかにすること。これが本報告の主たる関心の対象である。渡辺氏は、女性の農業労働についての新たな分析枠組みを提出するため、すでに近年の主要な研究について検討し報告を行っている(日本労働社会学会第13回大会)。従来の研究は、ジェンダーに関するイデオロギーという視点から、性別役割分業の編成原理を明らかにしてきた。これらの研究は巨視的には意味を持つものの、当の本人が農務に対して行う「評価」、あるいは意味づけという視点が欠落していた。フランスのC. Delphyは、このような当事者の意味づけという視点から研究を行っている。Delphyの分析視点から示唆を得た渡辺氏は、新たな分析枠組み構築のため、経験的研究に着手する。その第一の成果が本報告である。鈴木誠(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会)
松尾氏は、K市における1990年大卒事務系入庁者94人中、職員録により1999年時点で所属が判明している80人の性別、出身校、及び90,92,95,97,99年時点での勤務部署、経験職務、職位を丹念に調査し、そのキャリア管理の特徴を次のように指摘している。すなわち、(1)一律の年次管理という性格は薄い、(2)早い選抜、早い昇進が存在する、(3)昇進スピードを規定するものとして、学校歴(出身校)も無視できないが、それ以上に配属部門や職務が重要である、(4)官房系の昇進率が高いが、事務局の庶務担当課もそれに次ぐ昇進率であり、官房系からの昇進者もその前は事務局の庶務担当課在籍者が多い、(5)民間企業との比較においてキャリア展開が早期から多様化するも、ゼネラリストコースとスペシャリストコースへの分岐という意味での複線的キャリアは初期キャリアの段階では検出しがたい(法律や情報処理等の専門能力をもった者を除く)、(6)ファーストトラックは管理的職務を中心とした狭めのキャリアである、(7)ファーストトラックや専門的能力保有者以外のその他大勢は99年の段階においてゼネラリスト的キャリアであるが、その中でも細かく差がついている、ということである。日時:5月18日(土)午後0時30分から幹事会。午後2時から定例研究会
場所:早稲田大学本部キャンパス・14号館803会議室