日本労働社会学会『通信』

vol.XI, no.5(2000年10月)

日本労働社会学会事務局

群馬大学医学部
       保健学科地域看護・看護管理学講座(林千冬)


(学会ホームページ)http://www.jals.jp
(郵便振り込み口座番号)00150-1-85076

いよいよ第12回大会(於 長野大学)です!
 会員のみなさまお元気でしょうか。やたら暑く長い夏が終わったと思ったら、秋を味わう間もなく急に寒くなったように感ずるのは私だけでしょうか。風邪などひかれないようにご注意下さい。
 さて、いよいよ第12回大会(11/18〜19)が近づきました。グローバリゼーションのさらなる進行のもとで、激動する日本の経済・企業・社会を明らかにすべく、若手・中堅の方々の意欲ある報告が期待されます。どうかお誘い合わせの上、ご参加下さい。大会事務局(代表、京谷栄二幹事)よりの大会プログラム、参加申し込み票、ホテル案内、観光案内を同封いたしました。速やかにお申し込み下さい。それでは秋の長野にてお会いいたしましょう。

I. 第12回大会の開催について

 先にもお知らせいたしましたように、第12回大会は次の日程で行います。詳しくは同封の大会プログラム他をご覧下さい。

会場 長野大学産業社会学部
  長野新幹線上田駅下車、別所線乗り換え「大学前駅」より徒歩15分。
  上田駅よりタクシーにて20分、約2000円。

II. 第5回定例研究会報告

 佐久間敦子「契約社員の実像についての再考察:繊維A社の事例をもとに」

吉田 誠(横浜市立大学)

9月30日に佐久間敦子さん(九州大学・院)の「契約社員の実像についての再考察:繊維A社の事例をもとに」の報告が行われました。
 佐久間さんの報告は、拡大していく非正規雇用の中で契約社員に着目し、従来の研究・調査では契約社員の概念が、例えばある研究では「専門的職種について、契約・登録に基づき雇用している者」と定義されているように、一面的化されたまま分析されている点が問題であるとして、事例研究を行うことでその「実像」=多様性を明ら かにしようというものでした。
 具体的には繊維業A社の人事制度の現状とその歴史的変遷を取り上げることで、契約社員の概念の背後にある実態の多様性が検討されました。A社の場合、契約社員が「店頭販売職」、「技能工・生産工」、「嘱託」、「デザイナー」という4つのタイプに分かれており、同じ契約社員というカテゴリーには属していても、それぞれが雇用柔軟性、低賃金、再雇用、高い専門能力など異なる企業の必要から設定された職であり、質的に異なった労働力から構成され、その処遇のあり方も大きく異なっていることが示されました。
 報告後の討議では登用制度、契約社員と「準社員」との違いなどA社の人事制度の詳細や現状に関する質疑応答に加えて、「契約社員」というカテゴリー自体に依拠して分析する問題や、労働市場に着目する必要性なども論じられました。また「高度専門能力活用型」であると目されるデザイナーの契約社員の事例は参加者の高い関心を集め、様々な観点から質問が相次ぎました。非正規雇用の拡大と多様化という現代的な課題を真っ向から取り上げた報告だったこともあり、非常に有意義な研究会となりました。

 

III. 会計からのお願い

例年どおり、大会において年会費(2001年度会費)を徴収いたしますので、よろしくお願いします。なお、年額は10,000円(院生、就職未定者は6,000 円)です。

IV. 事務局よりのお願い

 大会に向け、名簿を作成しています。この1年以内に住所、電話、e-mail、所属先住所などの変化があった方は、事務局藤井までお知らせ下さい。期限は、10月27日(金)です。

V. 労働社会学会第5回幹事会議事録

 2000年9月30日(土)13:00〜14:00、早稲田大学高田牧舎3階人間科学部会議室にて、第5回幹事会が開催された。
出席者 田中、秋元、大黒、河西、京谷、土田、山田、吉田、鷲谷、林、藤井

議題

(報告・審議事項)

  1. 第12回大会(於:長野大学)について
    京谷幹事より、大会準備状況について報告がなされた。
    • プログラム、一般研究報告およびシンポジウム司会者、昼食、会場整備、控え室、受付その他の係等も準備進行中。懇親会は上田市内。
    • 工場見学当日はバス移動。午前中、坂城町の工場見学。昼食後、地元の商工会長、工場経営者等との懇談会。16:30解散予定
    • 宿泊は上田市内の適価なホテルを9ヶ所確保。案内を大会資料と同封するので予約は各自でおこなうこととする。
  2. 2000年度会計について
    大黒会計担当幹事より別紙資料(「2000年度決算・予算案」)に基づき収支状況の報告、検討がなされた。今年度はとくに滞納分の督促を強化しその成果が上がった。郵送通信費は今後E-mailの活用をさらにすすめて節約をめざしたい。
    来年度予算案でも、40万円以上の繰り越しが見込め、ほぼ安定が見込めるが、年報販売、会費督促は今年度につづき強化する必要がある。
    ★なお、会費徴集は年次大会以降、新年度分となる(ex.2000年の大会以降は2001年分を徴集)。この点について、一部の会員に誤解もあるようなので御了解願いたい。
  3. 「労働社会学会年報」編集委員会
    秋元編集委員長より、10月10日までに初校。20〜25日までに再校予定。学会大会までに完成予定との報告がなされた。
  4. ジャーナル編集委員会
    河西編集委員長より、現在投稿申し込み11名との報告がなされた。
  5. 事務局より
    この間の、会員異動について報告がなされた。新会員名簿は大会にて配付予定。大会不参加者にはその後に郵送。
    ★なお、住所変更のある会員は至急連絡いただきたい。
  6. 日本労働社会学会会則変更の件
    継続審議とする。
  7. 次期役員選出の件
    幹事立候補者の推薦(自薦、他薦)募集中。10月30日締切。次回幹事会で決定。
  8. その他
    海外特別会員の扱いについて。廃止を検討してはどうかとの提案があり、その方向で行くことが確認された。

(会員異動)

新入会(web版では住所等は省略)